第51回 日本リハビリテーション医学会 学術集会 シンポジウム◎長寿社会への挑戦—活動が支える—
活動で認知症に介入する—脳活性化リハビリテーションで予防と進行遅延
山口 晴保
1
,
山上 徹也
2
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山口 智晴
3
,
亀ヶ谷 忠彦
1
1群馬大学大学院保健学研究科
2高崎健康福祉大学保健医療学部
3群馬医療福祉大学リハビリテーション学部
pp.170-172
発行日 2015年3月18日
Published Date 2015/3/18
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はじめに
2013年に,日本の認知症患者の推計数が462万人と発表され,同時に年齢階層別の有病率が示された1).認知症の有病率は5歳ごとにほぼ倍増し,80歳代前半で22%,80歳代後半で41%,90歳代前半では61%,そして95歳超では80%となる.「年取れば誰でもなれる 認知症」なのである.ここから認知症の最大のリスクファクターは「長寿」だということがわかる.70歳代前半の有病率は4.1%なので,長寿を放棄すれば認知症は問題にならない.高齢者の寿命が5歳短くなるだけでも,認知症者は半減するのである.これまでの医療が病気を治して寿命を延ばすことに専念してきたことの結末が,認知症の急増ということになる.
そして,今や回復期リハビリテーション(以下,リハ)病棟でも認知症を有する患者が3割を超えるようになった.日本リハビリテーション病院・施設協会が2013年度に行った調査では,全国112の回復期病棟で平均32.6%の患者が認知症を有していた2).リハ医学の領域でも,①認知症を併発する患者への適切なリハの提供と,②認知症そのものをターゲットとしたリハの提供が求められる時代となった.
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