特集 地域開発と公衆衛生—地域活性化の論点と戦略
地域活性化における予防医学活動の貢献
櫻井 末男
1
1財団法人岩手県予防医学協会
pp.172-174
発行日 1994年3月15日
Published Date 1994/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900990
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
◆はじめに
過日,平成5年6月に開催された国土審議会総会の報告書を見る機会があった.それは平成4年9月に厚生省人口問題研究所の発表した「日本人の将来推計人口」に基づき第四次総合開発計画(四全総)の総点検を行ったもので,「人口減少,高齢化進展と活力ある地域づくり」という点にかなりのウエイトを置いた内容となっている.
それによると,西暦2000年のわが国の人口は,当初の四全総の目標を380万人下回る1億2,739万人と推定.ピーク時も2013年の1億3,603万人が,2011年1億3,044万人とされ,560万人下回る予測に修正されている.この原因は出生率の低下と後期高齢化の進展にともない死亡数が出生数を上回る,いわゆる人口自然減にあり,ピーク時を境に日本の人口は急速に減少する.2015年から2020年にかけて全国すべての市町村で自然減の状態となり,後期高齢者の急増と相まって,社会構造を維持することの困難な地域も多発し,局所的,姑息的な地域開発,地域活性化では問題解決とはならず,国民あげて考え,行動を起こさなければならないと結んでいる.
![](/cover/first?img=mf.1401900990.png)
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.