講座 「認知」の最前線・3
認知症に対するリハビリテーションの最前線
山口 晴保
1
,
山上 徹也
1
Yamaguchi Haruyasu
1
1群馬大学医学部保健学科
pp.971-978
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101298
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はじめに
認知症は,「脳の器質性疾患に基づく認知機能低下により,(社会的)生活が営めなくなった状態」と定義される.本稿では,認知症のメカニズムや治療方法全般に対する最近の考え方を紹介したうえで,認知機能ではなく認知症の人の生活力やQOLの向上をめざした脳活性化リハビリテーション(以下,リハ),すなわちInternational Classification of Functioing, Disability and Health(ICF)の視点からのアプローチ1)について述べる.
認知症の人の抱える困難は,認知障害を基にした生活困難であり,正にリハが得意とする分野である.近年,認知症の病態を理解し,認知症の人の心に寄り添うリハのニーズが高まっている.
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