展望
創傷治癒遅延モデル
山本 俊幸
1
1福島県立医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
疾患モデル(動物)
,
創傷治癒
,
ヌードマウス
,
皮膚疾患
,
マクロファージ
,
線維芽細胞増殖因子2
,
Beta Catenin
,
MicroRNAs
,
上皮間葉転換
Keyword:
Disease Models, Animal
,
Macrophages
,
Mice, Nude
,
Skin Diseases
,
Wound Healing
,
Fibroblast Growth Factor 2
,
MicroRNAs
,
beta Catenin
,
Epithelial-Mesenchymal Transition
pp.114-118
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016139155
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創傷治癒は,皮膚科に限らず形成外科や外科でも扱われる重要な分野であり, 古くから興味をもって研究の対象とされてきた分野でもある.さらに粘膜損傷・粘膜治癒過程にまで範囲を広げると,あらゆる科に関わってくるため,創傷治癒に関連する論文は,枚挙に暇がない.皮膚科における実際の臨床現場では,循環障害による慢性の下腿潰瘍や糖尿病性潰瘍をはじめ,褥瘡,深い潰瘍を呈する壊疽性膿皮症や膠原病に伴う潰瘍など,治療に難渋する疾患も多い.創傷治癒を遅らせる要因はいくつもあり,代表的なものに,虚血性変化,pH変化,細菌感染,低酸素状態などが知られている.これまでに,遺伝子改変動物以外に,創傷治癒遅延モデルとして報告されたものは少ない.われわれは,遺伝子改変等の特別な手技を用いない簡便な方法で,創傷治癒遅延モデルを作成したので,ここに簡単に紹介し,今後の展望について述べる.(「はじめに」より)
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