第51回 日本リハビリテーション医学会 学術集会 構造教育講演◎入門リハビリテーション医学
急性期から地域まで
藤谷 順子
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1独立行政法人国立国際医療研究センター病院リハビリテーション科
pp.30-32
発行日 2015年1月18日
Published Date 2015/1/18
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はじめに
リハビリテーション(以下,リハ)の対象として多くの人が思い浮かべるのは,脳卒中や脊髄損傷であり,また,リハ専門病院などで,訓練にいそしむ患者の姿を思い浮かべるであろう.しかし,実は,急性期総合病院で,入院患者の3〜5割が,リハ科の診察を受けている.脳卒中や外傷や骨折の急性期ばかりではない.内科疾患,再発予防,心不全や呼吸不全のコントロールに,リハ医学は寄与している.
筆者の勤務する病院は.7対1看護の,診断群分類(DPC)3病院で,臨床研修指定,救急指定の730床の総合病院である.リハスタッフは,医師(MD)3名,理学療法士(PT)11名,作業療法士(OT)4名+非常勤1名,言語聴覚士(ST)5名であり,占有病床はなく,全科からコンサルテーションを受けている.
前記の療法士数を見て,少ないと思われる方は多いと思う.急性期総合病院で数十人のリハスタッフを要する施設は近年増えつつある.一方で,当院のような少ない人数での急性期総合病院もまた多く残っている.図1に,2012年10月現在の日本の病床数の概況と勤務するPT数の概況を示した.急性期の症例は体力等の要因から長時間の訓練ができないとはいえ,10倍近い開きがある.急性期リハは,まだまだ発展途上なのである.
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