特集 COVID-19パンデミックから地域医療構想を再考する
地域医療の現場から考える地域医療構想
高度急性期・急性期を担う公立病院からみた地域医療構想の今後の在り方
伏見 清秀
1
1東京医科歯科大学大学院 医療政策情報学分野
キーワード:
診療密度
,
地域急性期
,
集約化
,
機能分化
,
医療機能
Keyword:
診療密度
,
地域急性期
,
集約化
,
機能分化
,
医療機能
pp.32-36
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211595
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■はじめに
新型コロナ感染症蔓延時には,重症患者が入院加療を受けられず自宅で死亡するなど,わが国の医療提供体制の重大な欠陥が露呈した.パンデミックの影響は医療を含め,飲食業,旅行業,サプライチェーンなど多岐に及び,特にわが国では,進行する人口減少社会の弱点を突かれたと言える部分も多い.地域医療構想は人口構造の急激な変化に対応する医療提供体制の整備を目指すものであるが,新型コロナ感染症がもたらした重症医療の逼迫の裏側での,外来を含む平時医療の急激な需要減少は,将来の変化を先取りしたものとも言える.その意味で,このパンデミックに際しては,一部で言われる地域医療構想の抜本的な見直しではなく,そのさらなる推進が正しい対応と考えられる.
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