第50回 日本リハビリテーション医学会 学術集会 プレナリー講演◎歴史を語る
新たな扉を開き続けた10年の歩み
米本 恭三
1
1東京慈恵会医科大学
pp.886-891
発行日 2013年11月18日
Published Date 2013/11/18
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はじめに
第二次世界大戦後,まだリハビリテーション(以下,リハ)が周知されていなかった厳しい時代に,日本リハ医学会を創立し,道を切り開いてくださった先人達のご尽力を忘れてはならない.50年の歴史を振り返ってみると,学会の発展の軌跡と多くの出来事が想い出される.とりわけ1990年のリハ医学会の社団法人化は翌年に初代理事長に就任された津山直一先生の大きな業績であった.それ以降の約10年はリハ医学会の将来にとって極めて重要な課題と次々に向い合い,新たな扉を開き続けた時代であった.主な課題を年表にまとめた(表1).
その頃,国のいくつもの公的委員会に参加する機会があった私はOBになられた方々とも親交があり,貴重な情報を度々伺うことができた.それらの情報は部外秘というわけでなく,我々一般人が知らなかっただけのことである.国の施策が学会の取り組むべき課題と分かれば,早くから対策を立てて準備を始め,公示される頃には学会が対応できるように努めた.表1で見るように,課題は相前後して続いたり並行して進んだ場合があった.
何よりも先ず取り上げたいのは,リハ科が診療科名を標榜できるようになったことである.
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