第50回 日本リハビリテーション医学会 学術集会 プレナリー講演◎歴史を語る
日本リハビリテーション医学会の50年―振り返れば一本道?
江藤 文夫
1
1国立障害者リハビリテーションセンター
pp.892-895
発行日 2013年11月18日
Published Date 2013/11/18
- 販売していません
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
日本リハビリテーション(以下,リハ)医学会設立50周年を迎え,学会専門医制度も創設されて33年になるが,本医学会は,学会設立当初より独立した診療科として,専門医制度を志向していたようである.私がリハ医学会に入会した1974年の会員数は1315名で,専門医制度が発足した1980年の会員数は1849名であり,その頃になると毎年約100名ずつ増加しつつあり,認定臨床医制度の発足した1988年の会員数は4192名に達していた.前年は3046名であり,この頃から会員数は急増し始めていた.専門医と認定医を一本化して,専門医にコース1とコース2を定めた1992年には8685名,コース1,2の区分を廃止した2002年の会員数は9439名に達し,以後も会員数は漸増傾向にある.専門医制度が発足して30年を経て,保健医療と福祉の社会環境は大きく変化し,この構造変化は学会の在り方にも変革を求めることになる.
米本恭三先生が話された診療標榜科名としてリハ科が認められた経緯,文部科学省の科学研究費において時限付き分科細目(1998~2000年度)が認められ,総合領域分野,人間医工学分科の細目に「リハビリテーション科学・福祉工学」が2003年度より新設された経緯1),医師国家試験出題基準にリハが取り上げられた経緯など,出来事として振り返ってみると一本道であっても,その時々に選択がなされ,複数の行動と活動とが展開されたことが興味深く想起される.
そこで,リハ科の専門性の確立と専門医制度をめぐって,個人的な思いを含めて振り返ってみたい.
Copyright © 2013, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.