Editorial
“クリニカル・パール”から始まる物語の扉を開こう!
玉井 道裕
1
1諏訪中央病院総合診療科
pp.989
発行日 2024年9月15日
Published Date 2024/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204969
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まさか、研修医時代から読み、勉強してきた雑誌『総合診療』の編集をさせてもらえるとは夢にも思わなかった。どんな特集を組もうかと考えた時、私にしかできない編集をしようと決意した。クリニカル・パール特集なら、それが可能かもしれない。どなたに原稿を依頼するかは悩んだが、自分の医師人生に大きな影響を与えてくれた先生を候補に挙げさせてもらった。執筆者の候補リストを作成すると、たくさんの医師の名前が浮かんだ。どの方にお願いするか迷った。そして、そのリストを見て、自分がこれほど多くの方々に支えられてきたことを、しみじみと実感した。読者の皆さんも、自分を育ててくれた“先生特集”を作るとしたら、誰に執筆を依頼するか考えてみてほしい。
私は恵まれた医師人生を歩んできた。多くの素晴らしい出会いと心に残る言葉をいただき、今の自分の医師像が形成されてきた。エビデンスはインターネットで調べれば出てくるが、自分が見聞きした言葉は検索したとしても出てこない。それは自分の中にしか残っていない。そして、それは一人ひとり違うはずである。各々の人生が異なるように、医師としての人生もまた異なる。あなたが医師として過ごした日々で、記憶に残っているのはどんな時だろうか。そこにはどんな言葉があったのであろうか。
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