てんてき
人生の扉を開くもの
会田 雄次
1
1京都大学人文科学研究所
pp.21
発行日 1967年12月1日
Published Date 1967/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913430
- 有料閲覧
- 文献概要
昭和19年から20年にかけてのビルマのラングーン市の陸軍兵站病院での看護婦さんの想い出である。戦地での看護婦さんのあの献身的な姿は,今の若い人には見られないのじゃないかと思われる。兵隊の心の中の看護婦さんの映像には後光がさしていた。現在の患者の中の看護婦さんの姿にそれがあるかどうか。看護婦さんだけではない。現在私たちはいろいろの権利をかち得たが,その代償に何か大事なものを失ってしまったようである。
その一つに,あれだけの必死の努力をつくしてきたその努心という心を失ってしまったのじゃないかという気がする。こういったものを前提条件として,これからの職業ということを考えてみようと思う。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.