第48回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/千葉 《専門医会企画》小児リハビリテーション―座長/中村 純人・朝貝 芳美
発達障害児に対して小児専門病院が果たすべき役割
笛木 昇
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1長野県立こども病院リハビリテーション科
pp.890-895
発行日 2012年12月18日
Published Date 2012/12/18
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はじめに
当院は,人口200万人の長野県下唯一の小児専門病院で19の診療科がある.県内の早産児,低出生体重児や病的新生児(先天性心疾患や外科疾患をもつ)の多くが当院新生児特定集中治療室(NICU)に入院する.
近年,疾患の治療において発達予後が重要視され,それも知的・運動能力だけでなく,コミュニケーション能力,社会性が注目を集めている.
早産児・低出生体重児や新生児期に先天性心疾患の手術を行った児については,それぞれの学会で決められた時期に発達評価を行い,発達の遅れの早期診断に努めている.
当院リハビリテーション(以下,リハ)科は,医師3(非常勤2),臨床心理士2,言語聴覚士(ST)2,作業療法士(OT)4,理学療法士(PT)6(非常勤1)で構成されている.
当院でのリハの患者数について図1,2に示す.
当院のリハには,以下の特徴がある.1.リハで必要な評価,相談指導,計画的なリハ治療の中では,評価の割合が高い(NICU退院後の発達評価や循環器や外科疾患後の発達評価,難聴の検査など).2.入院リハでは,呼吸器リハ,長期入院児のリハが主体で,外来では発達障害児のリハが主体となっている.3.院内にリハとは別に,患者支援・地域連携室が設けられていて,NICU長期入院児等退院コーディネーター,在宅医療支援看護師,医療ソーシャルワーカー(MSW)が常勤し,相談指導にあたっている.4.当院でのリハを,0~3歳から継続している児が多く,患者数が増えリハの頻度が下がる傾向があり,地元の保育・教育機関との連携が必要となっている.
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