第48回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/千葉 《専門医会企画》小児リハビリテーション―座長/中村 純人・朝貝 芳美
発達障害概説およびリハビリテーションチームが関わりうる課題
小倉 加恵子
1,2
1国立障害者リハビリテーションセンター研究所脳機能系障害研究部発達障害研究室
2発達障害情報・支援センター
pp.895-898
発行日 2012年12月18日
Published Date 2012/12/18
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はじめに
本邦における発達障害者支援は長らく知的障害の水準によっていたため,多くの発達障害者が社会的不適応による生きにくさを抱えながらも認知されなかった.2005年発達障害者支援法において公的扶助の対象として発達障害者の範囲が明示されるなど,近年,発達障害をめぐる社会情勢は大きく変化しつつある.
発達障害者支援法では,発達障害とは「自閉症,アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害,学習障害,注意欠陥多動性障害,その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義された.2005年4月1日付文部科学事務次官,厚生労働事務次官連名通知では,疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD-10)のF80-98に含まれる障害とされている.本稿では,発達障害に含まれる疾患を発達障害者支援法が定める範囲とし,医科学領域および医療・福祉サービス領域の2つの観点から発達障害を概説し,リハビリテーション(以下,リハ)チームが関わりうる課題を考えていく.
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