- 販売していません
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
要望されるリハビリテーション科医と関連専門職養成校の増加
2010年9月厚生労働省は,全国診療施設の医師不足についての初調査「必要医師数実態調査」を公表し,東北などの地方での顕著な医師不足に合わせ,都市部でも医師数が充足しておらず,医師の偏在よりも全国規模での医師不足の実態が明らかにされた.さらに,診療科別の調査検討では現在の医師数に対する必要医師数の倍率が高かったのは,1位:リハビリテーション(以下,リハ)科1.29倍,2位:救急科1.28倍,3位:産科1.24倍の順であり,それまで報道で注目されていた救急医,産科医・小児科医の医師不足よりも,リハ科専門医の要望・必要性がクローズアップされた結果となった1).
理学療法士(PT),作業療法士(OT),言語聴覚士(ST),義肢装具士(PO)などのリハ医療関連専門職は,リハチーム医療を構成する職種である.我が国の経済・産業の低迷や製造業の海外流出,医師・看護師不足による医療問題が注目されていることもあり,安定した雇用を求める医療関連専門職志望者は増加している.これまでの20年間で4割減となった高卒者人口約100万人に対して,現在40万人以上の医療関連養成校定員数がある2).高齢者人口の増加により,我が国の医療福祉専門職はさらなる需要の増加が予想される.PT,OTは1965年の理学療法士及び作業療法士法により3年制学校として始まり,1977年から厚生省(現厚生労働省)主幹の国立リハ学院4校,同年文部省(現文部科学省)主幹短期大学を経て,1992年からの4年制大学制度が加わった.その結果,1学年定数は20年間でPT,OTとも10倍以上に増加した.STは1999年に第1回国家試験が始まり,高卒後93単位,大卒後73単位履修の専門学校,4年制ST養成校など多コースの62養成校がある.PO養成校は全国9校となお少ない(調査時).
Copyright © 2011, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.