第47回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/鹿児島 《シンポジウム》排尿障害のリハビリテーションの進歩―座長/岩坪 暎二・吉田 輝
排泄自立支援体制は充足しているか―現場における介護者1人が支援可能な時間を検証してみる―
志方 弘子
1
,
永沼 真由美
1
1特定医療法人北九州病院北九州古賀病院看護部
pp.112-116
発行日 2011年2月18日
Published Date 2011/2/18
- 販売していません
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
高齢者の排泄自立に現場で関わっている者として,排泄パターンを知るということを長年行ってきた.その時の状態や摂取水分量で毎日変わる排尿パターンにどれだけ振り回されてきたことか知れない.膀胱機能と日常生活動作(ADL)機能,さらに認知障害の程度により,看護する側も排泄自立可能性のある者とそうでない者に区別でき,無駄な労力を使う必要がなくなり合理的になってきた.(もちろん看護師が失禁のメカニズムや,膀胱機能を知るは当然のことであり看護の現場で頑張っていることは理解している.)
しかし現状では介護するマンパワー不足のため,十分な援助ができないままおむつの状態で一夜を過ごすことになる.食事は食べずに我慢しなさいと言えないが,排泄におけるADL機能が自立していないため,おむつで我慢してもらう.
「ご飯は待ってもいいけど,トイレは待てません.おしっこをする権利があります」と日本老年泌尿器科学会1)の提唱していることと相反することを現状では行っていることになる.
Copyright © 2011, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.