第47回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/鹿児島 《教育講演》
脳卒中治療ガイドライン
中馬 孝容
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1滋賀県立成人病センターリハビリテーション科
pp.117-120
発行日 2011年2月18日
Published Date 2011/2/18
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はじめに
本邦では急速に高齢化社会に突入した.1950年における65歳以上の人口比率は4.5%であったが,2006年においては20.8%となり,現在も年々増加の一途をたどっている.
また,本邦における65歳以上の死亡原因の第1位は悪性新生物,第2位は心疾患,第3位は脳血管疾患である.さらに,寝たきりの原因の第1位は脳血管疾患であり,34.7%を占めている(2004年).脳卒中患者は多く,brain attackとして超急性期から診断および積極的な治療が一般的となってきた.そして,同時に超急性期からのリハビリテーション(以下,リハ)の介入が不可欠となってきている.急性期管理および早期からの予後予測を行いながら,併存疾患などの複合障害の対応を考慮しつつ,集中的なリハの展開が必要となった.超急性期から一貫した効率的なリハの提供および訓練強度の増加により,日常生活動作および麻痺の状態は改善してきているが,他の疾患同様,エビデンスに基づいたリハ医療の提供が重要視されるようになっている.
近年,インターネットなどによる情報の獲得がしやすくなり,それとともに,従来の経験的な医療に対する反省として臨床研究の重視および国際標準基準の追及がなされるようになってきた.脳卒中のリハに対するEBM(evidence based medicine)が求められ,客観的情報を集約しながらエビデンスに基づいた医療を分析・検討し,効率的な医療を行うことが当然のように求められている1).このような背景のもと,脳卒中治療ガイドラインの策定は始まった.
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