第47回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/鹿児島 《シンポジウム》温泉・温熱の先端科学をリハビリテーションへ―座長/田島 文博・前田 眞治
温熱の消化器・腎・皮膚への影響
飯山 準一
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1熊本保健科学大学保健科学部リハビリテーション学科
pp.28-32
発行日 2011年1月18日
Published Date 2011/1/18
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はじめに
温泉・温熱療法は物理療法の中でも古典的治療法であり,研究テーマとして使い古されたイメージがある.しかし,温熱刺激はその強度,時間,頻度といった因子によって生体の反応が異なり,詳細な効果およびそのメカニズムの全貌は明らかになっていない.従来,重症心不全に対しては入浴,サウナともに禁忌とされていたが,鄭らは温熱刺激を低負荷とすることで循環動態の改善に有用であることを見出した1).この画期的な試みは,現在,和温療法として,そのエビデンスが確立されつつあり,重症心不全に留まらず動脈硬化,閉塞性動脈硬化症,線維筋痛症とその適応を拡大しつつある2~4).
本稿では,筆者らが行ってきた41℃,10分間の温水浴のもたらす胃排出,小腸での薬物吸収,肝・腎機能に及ぼす影響と,グリセリン添加入浴の皮膚への効果について述べる.
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