第47回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/鹿児島 《シンポジウム》磁気刺激のリハビリテーションへの応用―座長/椿原 彰夫・出江 紳一
脳卒中片麻痺患者の運動誘発電位と治療
衛藤 誠二
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1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科リハビリテーション医学
pp.170-174
発行日 2011年3月18日
Published Date 2011/3/18
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はじめに
近年,成人においても脳の可塑性があることがヒトにおいても確認されているが,臨床での脳卒中片麻痺上肢機能の改善は少ないのが現状である.十分な改善が得られていない理由は,上肢や手指のリハビリテーション(以下,リハ)において自動運動が少ないこと,患者が意図した運動を誘発,促進する治療手技が少ないことによると考えられる.我々は,患者が意図した運動を自動介助運動の形で実現し,それを反復する促通反復療法を実施し,片麻痺の改善に効果をあげている1~3).この片麻痺上肢への促通反復療法は,効率的に随意的な動きを促すことができ,目的とする運動の運動性下行路のみを繰り返し興奮させることができることが特徴で,麻痺の改善に有効であることが明らかにされている4,5).
今回,促通反復療法を実施している際の麻痺の変化と経頭蓋磁気刺激(Transcranial magnetic stimulation:TMS)による運動誘発電位(Motor evoked potential:MEP)の変化と,TMSと促通反復療法との併用療法による麻痺回復促進効果について検討したので報告する.
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