第47回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/鹿児島 《シンポジウム》磁気刺激のリハビリテーションへの応用―座長/椿原 彰夫・出江 紳一
脳卒中患者における皮質内抑制,半球間抑制
藤原 俊之
1
,
補永 薫
1
1慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
pp.165-169
発行日 2011年3月18日
Published Date 2011/3/18
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はじめに
リハビリテーション医学(以下,リハ)において電気生理学は必要不可欠の分野である.従来,電気生理学検査の中心は針筋電図や神経伝導検査による末梢神経,筋疾患の診断および評価が中心であった.しかしながら,近年の新しい検査の導入にともない,電気生理学検査は末梢神経と中枢神経を総合的に評価する手段としてその範囲を広げつつある.特に,中枢神経評価における電気生理学検査は時間的分解能にすぐれ,直接的に神経機構の生理学的機能を評価することが可能であり,そのリハにおける有用性は非常に大きいものといえる.
特に経頭蓋磁気刺激(Transcranial Magnetic Stimulation:TMS)は,非侵襲的に脳を刺激することが可能であり,運動機能や皮質内抑制・促通機構,皮質間抑制などの評価に広く用いられている.近年,脳卒中のリハにおいても,いわゆる機能障害の改善を目指し,中枢神経の可塑性に働きかける治療が注目を集めている.その場合の脳の可塑的変化の評価においてTMSによる皮質内抑制,半球間抑制は非常に重要な意義をもっている.
本稿では,特にTMSによる皮質内抑制,皮質間抑制のリハ評価への応用について述べる.
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