増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
生理機能検査
脳神経機能検査
誘発電位
宇川 義一
1
1東京大学医学部脳研究施設神経内科
pp.858-859
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402910043
- 有料閲覧
- 文献概要
誘発電位とは
ヒトの脳の電気活動を記録しているものとして脳波がある.脳波は主としててんかんの診断に広く臨床応用されていて,脳内の現象をon timeで見ることができる.ヒトになんらかの外的刺激を加えた場合,脳波はそれに反応してなんらかの電気的変化が生じているはずである.この変化は脳波という経頭蓋的に電気現象を経時的にひろう方法ではとらえられない.そこで外部刺激をトリガーとして脳波を多数回加算し,この変化をとらえたのが誘発電位である.ごく微細な変化(μV)であり,1回の記録では背景脳波に埋もれて判別できないが,加算することにより反応として記録できるのである.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.