特集 脊髄損傷―新しい下肢装具の活用
ハイブリッドFESを用いた脊髄損傷者の歩行練習
佐藤 峰善
1
,
島田 洋一
1
,
松永 俊樹
1
,
畠山 和利
1
Sato Mineyoshi
1
1秋田大学医学部附属病院リハビリテーション部
pp.460-466
発行日 2001年7月15日
Published Date 2001/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105834
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
生体の失われた機能を再建するために電気刺激を利用する治療法は,機能的電気刺激(functional electrical stimulation;FES),機能的神経筋刺激(functional neuromuscular stimulation;FNS),神経補綴(neural prosthesis)といわれ,これらはほぼ同義である.コンピュータ技術の発展とともに急速に研究が進み,1995年に国際FES学会(International Functional Electrical Stimulation Society;IFESS)が設立されるに至った.
本邦において経皮的埋込み電極を用いた機能的電気刺激療法は東北大学,秋田大学,大分医科大学,北海道大学で高度先進医療として行われている.対麻痺者の歩行再建においてはFESと装具を併用する場合が多く,これはハイブリッドFESと呼ばれている.
本稿では,主として秋田大学における筆者らの経験に基づき,ハイブリッドFESを用いた完全対麻痺の歩行再建における適応レベル,FESと装具との関係,歩行機能獲得状況,実際の理学療法の進め方,課題について述べる.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.