Japanese
English
研究と報告
機能的電気刺激による対麻痺患者の起立・着席動作の再建
Reconstruction of Standing-up and Sitting-down by Functional Electrical Stimulation.
加賀谷 斉
1
,
島田 洋一
1
,
佐藤 光三
1
,
江畑 公仁男
1
,
大場 雅史
1
,
小玉 弘之
1
,
小西 奈津雄
1
,
佐藤 峰善
1
,
湯川 俊浩
2
,
大日方 五郎
3
Hitoshi Kagaya
1
,
Yoichi Shimada
1
,
Kozo Sato
1
,
Kunio Ebata
1
,
Masashi Oba
1
,
Hiroyuki Kodama
1
,
Natsuo Konishi
1
,
Mineyoshi Sato
1
,
Toshihiro Yukawa
2
,
Goro Obinata
3
1秋田大学医学部整形外科
2東北大学工学部機械航空工学科
3秋田大学鉱山学部生産機械工学科
1Department of Orthopedic Surgery, Akita University School of Medicine.
2Department of Aeronautics and Space Engineering, Tohoku University
3Department of Mechanical Engineering, Akita University Mining College
キーワード:
機能的電気刺激
,
対麻痺
,
起立・着席
,
モデル計算法
,
動作筋電図
Keyword:
機能的電気刺激
,
対麻痺
,
起立・着席
,
モデル計算法
,
動作筋電図
pp.135-141
発行日 1995年2月10日
Published Date 1995/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107796
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
機能的電気刺激(functional electrical stimulation;FES)は脊髄損傷などで麻痺した神経や筋に,ある目的を持った電気刺激を与えて動作再建を行うものであり1-3),日常,車椅子生活を余儀なくされている対麻痺患者では車椅子からの起立・着席動作の再建がその基本となる.与える電気刺激は,従来trial and errorによって作成されていたが4),半田2,3)は健常人の動作筋電図からFESの電気刺激のパターンを作成する方法を考案して種々の動作を再建している.しかし,この方法では筋の刺激パターンはわかるが,刺激強度は求めることはできないという欠点があり,特に大きな筋力が必要とされる下肢の動作再建では問題となる.一方,Bajdら5)は床反力を用いて起立動作の膝関節最大トルクを求め,膝伸筋の刺激強度を設定して起立動作を再建しいるが,筋の刺激パターンは考慮していない.
今回われわれは,モデル計算法を用いて起立・着席動作に要する膝関節最大トルクを求め,それを利用して動作で最も重要な膝伸筋の最大刺激強度を設定し,また健常人の起立・着席動作の筋電図解析から筋の刺激パターンを作成して対麻痺患者の車椅子からの起立・着席動作を再建し,さらに再建した動作を解析したので報告する.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.