第46回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/静岡 《シンポジウム》脳性麻痺ガイドライン完成によせて―主なリサーチクエスチョンと推奨例―座長/岡川 敏郎・森山 明夫
脳性麻痺の定義・予後予測・評価尺度
近藤 和泉
1
,
小野木 啓子
2
1藤田保健衛生大学藤田記念七栗研究所
2藤田保健衛生大学リハビリテーション医学Ⅰ講座
pp.380-383
発行日 2010年6月18日
Published Date 2010/6/18
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はじめに
Evidence based medicine(EBM)の実践のためには,臨床で行われる行為の1つひとつにその根拠を求められる,しかし,最近の趨勢を見ればわかるとおり,臨床研究の知見が積み重ねられるにつれてその量は膨大なものになりつつある.さらに数多くある臨床的知見のエビデンスの強さもまちまちであり,それを吟味するのにも一定の経験が必要になる.実際上,個人のレベルで文献収集・精読・批判的吟味を行うには限界がある.この文脈でガイドラインの存在価値を考えると,一定の診療行為を規制するという考え方よりは,むしろエビデンスを検索し確認するという複雑なプロセスを省略するという目的でという部分が浮かび上がってくる.
一方ガイドラインはあくまでも,1つの判断基準であるという考え方が一般的である.もちろんその成立過程から考えても,状況に応じて柔軟に適用されなくてはならないといえる.また,臨床医学が日進月歩であるということを考慮すれば,改訂が前提となっており,当然のことながら内容は変化しうる.ただし,まとめ上げていく上では専門家の集団による策定のための膨大な作業が必要になる.
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