第46回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/静岡 《シンポジウム》地域リハビリテーションのアウトカム―座長/小池 純子・畑野 栄治
一般病院における脳卒中地域リハビリテーションのアウトカム
冨山 陽介
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1財団法人宮城厚生協会坂総合病院リハビリテーション科
pp.369-373
発行日 2010年6月18日
Published Date 2010/6/18
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はじめに
地域リハビリテーション(以下,リハ)の概念は広く,医療から介護保険・福祉までを含む.そこで提供されるリハサービスは,時期や対象によってそのねらいが異なることが多い.また職種によってリハの捉え方が異なり,サービス担当者会議でなかなか統一感が得られないこともある.地域医療の最前線で診療している筆者の場合,明確な目標を予定通りの期間で達成するという在宅リハの提供は少ない.目標が十分に達成していないにもかかわらず強引に終了したり,あらたな課題が出現して結果的にずるずると継続することもある.あらかじめ計画を立ててはいるが,当初の目標がそれほど意味をなさなくなる場合もある.
これらの焦点の定まりにくさは地域リハという包括的な領域の宿命と考える.比較的長期間,複数の職種で患者の生活に関わると多くの要因に影響されやすい.介入と結果を単純に検討するわけにはいかない.今回の発表は後方視的なデータを整理した当院の活動報告ではあるが,とりあえずこれをアウトカムを論じる第一歩としたい.
当院は宮城県塩釜市にある急性期病院である.地域医療支援病院に指定され,毎年10人前後の研修医が来る臨床研修指定病院でもある.二次医療圏の急性期医療の中心として機能している一方,46床の回復期リハ病棟を持っている.リハ科医は回復期リハ病棟を担当しつつ訪問リハや通所リハにも取り組んでいる.今回は,これらの活動をまとめて報告する.
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