第46回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/静岡 《シンポジウム》中枢神経可塑性への挑戦―座長/安保 雅博・長谷 公隆
電気刺激・経頭蓋直流電気刺激による脊髄可塑性の検討
藤原 俊之
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1慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
pp.159-161
発行日 2010年3月18日
Published Date 2010/3/18
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はじめに
近年中枢神経の可塑性が注目され,中枢神経の可塑性を引き出すためのリハビリテーション(以下,リハ)手技の開発が進められている.中枢神経の可塑性では大脳レベルだけでなく脊髄レベルでの可塑性の存在も示唆されている.特に不全脊髄損傷患者における歩行機能再建においては,トレッドミル歩行,pedaling,装具歩行等による脊髄レベルでの可塑的変化が重要な役割を果たしていると考えられている.Chenら(2006)1)はラットによるH reflexの条件付けの研究において,獲得されたH reflexの抑制が,皮質脊髄路(Cortico-spinal tract:CST)の切断により失われることより,脊髄可塑性への皮質脊髄路の関与をラットで示している.脊髄相反性抑制においても同様の研究が行われており,条件付けの獲得にはCSTの関与が重要であるとされている2).しかしながらヒトでの脊髄レベルでの可塑性に対する大脳皮質の関与を検討した報告は少ない.そこで今回我々は,patterned afferent electrical stimulation(PES)と大脳皮質運動野への経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を用い,ヒトにおける脊髄可塑性と脊髄可塑性への運動野の関与を検討した.
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