Japanese
English
短報
脳卒中患者に対する経頭蓋直流電気刺激の安全性について
Safety of transcranial direct current stimulation for stroke patients.
佐伯 覚
1
,
白石 純一郎
1
,
岩永 勝
1
,
越智 光宏
2
,
松嶋 康之
2
,
蜂須賀 研二
2
Satoru Saeki
1
,
Junichiro Shiraishi
1
,
Masaru Iwanaga
1
,
Mitsuhiro Ochi
2
,
Yasuyuki Matsushima
2
,
Kenji Hachisuka
2
1産業医科大学若松病院リハビリテーション科
2産業医科大学リハビリテーション医学講座
1Department of Rehabilitation Medicine, Wakamatsu Hospital of University of Occupational and Environmental Health, Japan
2Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health, Japan
キーワード:
経頭蓋直流電気刺激
,
脳卒中
,
安全性
Keyword:
経頭蓋直流電気刺激
,
脳卒中
,
安全性
pp.463-466
発行日 2014年5月10日
Published Date 2014/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110500
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要旨:経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation;tDCS)は経頭蓋磁気刺激よりも安全性が高いとされているが,明確な安全ガイドラインは確立されていない.今回,脳卒中慢性期片麻痺患者に対するtDCS下ロボット支援訓練による併用療法実施中のtDCSの有害事象に関して検討を行った.対象は中等度から重度の片麻痺上肢を有する慢性期脳卒中患者18例とし,tDCS装置,ならびに,両側手関節の屈伸運動ならびに前腕の回旋運動を反復訓練させるロボット支援訓練装置(robot-assisted arm training;AT)を用いて,各対象者には1日当たり1セッション(1mA×10分間のtDCSおよび約60分間AT訓練)の治療介入を10セッション実施した.評価は第1,5および10セッションの各介入終了直後に,聞き取りで介入中の有害事象の有無を調査した.予定された合計180セッションはすべて実施され,脱落はなかった.疲労の訴えが61%と最も多かったが,最終の第10セッション時には39%まで低下した.次に頻度が高いものは,その他(上肢のだるさ,肩痛,温まるなど)39%であり,他の症状は6~16%と少なかった.症状は終了後~翌日までにはほぼ消失した.tDCS実施中,介入を中止するような重度の有害事象はみられず,介入後の消失,介入の慣れによる低減があり,上記の条件では安全に遂行できることを確認した.
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