第3回 リハビリテーション科専門医会 学術集会/福岡 《シンポジウム》Brain scienceのトピックス―座長/出江 紳一
外傷性脳損傷:認知リハビリテーションの進歩
橋本 圭司
1,2
1東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座
2国立成育医療センターリハビリテーション科
pp.418-422
発行日 2009年7月18日
Published Date 2009/7/18
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はじめに
2001年度から5年間,国の施策として実施された高次脳機能障害支援モデル事業の結果,記憶障害,注意障害,遂行機能障害,情緒行動障害といった,いわゆる前頭葉機能の問題によって引き起こされる高次脳機能障害が脚光を浴びるようになった.前頭葉機能障害は,主に外傷性脳損傷や蘇生後脳症,脳炎などのびまん性損傷において,しばしば問題となる.
本稿では,2008年に東京都によって実施された高次脳機能障害実態調査の結果,慈恵医大附属病院で行われている画像診断や日本脳外傷後遺症リハビリテーション支援ユニオン(以下JUTRA)によって実践されてきた高次脳機能障害当事者・家族ボランティア支援プログラム「オレンジクラブ」,IT(情報技術)を駆使した先進的高次脳機能評価・訓練ツールなどを紹介し,今後の認知リハビリテーション(以下,認知リハ)の展望について述べる.
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