第3回 リハビリテーション科専門医会 学術集会/福岡 《シンポジウム》Brain scienceのトピックス―座長/出江 紳一
脳血栓片麻痺モデル:機能回復と神経栄養因子
池田 聡
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1鹿児島大学病院リハビリテーション部
pp.411-414
発行日 2009年7月18日
Published Date 2009/7/18
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はじめに
リハビリテーション(以下,リハ)医療において中枢神経機能回復は重要な課題でありいまだ解明を要する領域である.リハ医療において臨床研究は盛んに行われており近年大きな成果が得られてきているが,基礎研究の分野は他の領域に比べ立ち遅れている感があることを否めない.我々は以前よりリハ医学的観点からの基礎研究に取り組みいくつかの報告を行ってきた.その1つとして脳血管障害・片麻痺のモデル動物実験から中枢神経機能回復と神経栄養因子に関し,若干の知見を得たのでここに報告する.
脳血管障害はリハ医療において最も重要な課題の1つであるが,動物モデルを用いたリハについての報告はあまり多くない.脳梗塞モデルとしては中大脳動脈閉塞(MCA occlusion)モデルが多く用いられていたが,近年Aboらの用いたphotochemical infarctionモデルが病変の部位,大きさの均質化及び非開頭であるため低侵襲性で梗塞直後からのリハ的な評価に適しており,多用されるようになってきた.我々はこのモデルを用いて片麻痺モデルを作成し機能回復につき検討した.
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