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1891年Kollikerは哺乳動物新生児・胎児を用いて後根の脊髄入口部で線維は微小軸索からなる外側帯とより粗大な軸索からなる内側帯に分離することを示した1)。1913年Ransonはネコで後根の非髄鞘線維群は脊髄に入る直前で髄鞘線維群から分離して外側方向のLissauer索に進入することを示した7)。さらに1914年Ransonはヒト解剖屍体の脊髄においても同様の現象を記載し,C3;Th3;L3でそれぞれLissauer索;膠様質などの長さも幅もそれぞれ異なることを示した(図1a,b,c)8)。図2はわれわれの屍体を用いたC5の髄鞘染色(Masson)であるが,後根が脊髄に進入する直前で無髄線維が外側に,有髄線維が内側に配列している様子が観察される。このように後根が脊髄に進入する手前で無髄線維あるいは細い有髄線維と太い有髄線維群が分離し,前者は外側に向かいLissauer索へ,後者は内側に向かい後索に向かうことが解剖学的に指摘されていた。この事実を利用して難治性柊痛に対する治療として,手術用顕微鏡を用いてこの無髄線維あるいは細い有髄線維(Aδ・C)群を切離し,電気凝固を加える後根侵入部切截術を最初に導入したのは1972年フランスのMarc Sindouである9)。その後Nasholdは高周波による電気凝固を後根進入部に加える方法を報告し4),本邦では石島らがその手技を導入し,治療成績を発表している1)。
Microsurgical dorsal root entry zone tomy (MDT) is effective for medically intractable pain and spasticity. In this report, operative techniques and results of consecutive 18 MDT cases for intractable pain and 5 cases of in-tractable spasticity of various etiology have been reported. From the anatomical study of Ranson in 1914, unmye-linating A δ and C fibers mediating pain sensation are grouped at the proximal portion of the pial ring and flowing into lateral part of root entry zone, and going medial part of Lissauer tract.
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