第45回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/横浜 《パネルディスカッション》リハビリテーション難渋例の実践検討1―高次脳機能障害―座長/原 寛美・本田 哲三
相方との画像/神経心理学的検査所見の比較解釈に難渋した外傷性脳損傷後高次脳機能障害一卵性双生児の1例
大賀 優
1,2
,
吉永 勝訓
3
1千葉県千葉リハビリテーションセンター診療部脳神経外科
2現 茨城県立医療大学付属病院診療部リハビリテーション科
3千葉県千葉リハビリテーションセンターリハビリテーション科
pp.800-806
発行日 2008年12月18日
Published Date 2008/12/18
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はじめに
近年の外傷性脳損傷後高次脳機能障害に対する認知度はモデル事業・支援普及事業の推進により着実に高まり,関連診療科が担うべき重要な領域のひとつとなっている.しかしながらそれに伴い,日々の診療において頭部外傷と高次脳機能障害の因果関係が明確でなく,その立証に困難の生じる症例に遭遇する機会も増えてきている.頭部外傷と高次脳機能障害の因果関係を立証する―あるいは高い妥当性を以って推定する―作業は,自賠責保険における後遺障害等級認定をはじめとした各種福祉支援を適正に行ううえだけでなく,病態に見合った適切なリハビリテーションを提供するうえでも医師にとって重要な診療行為といえる.今回われわれは,頭部打撲受傷後に高次脳機能障害が生じながらも画像上明らかな器質的損傷所見を認めなかった一卵性双生児において,相方の画像所見・神経心理学的検査所見を利用し頭部外傷と高次脳機能障害の因果関係の立証を試みたが諸般の理由により難渋した症例を経験したので報告する.
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