第45回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/横浜 《パネルディスカッション》リハビリテーション難渋例の実践検討1―高次脳機能障害―座長/原 寛美・本田 哲三
高次脳機能障害相談窓口を経て受診した慢性期頭部外傷例に対する支援
原 寛美
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1相澤病院総合リハビリテーションセンターリハビリテーション科
pp.796-800
発行日 2008年12月18日
Published Date 2008/12/18
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はじめに
当院では長野県高次脳機能障害者支援事業(ゼロ予算事業として発足)拠点病院として高次脳機能障害相談窓口(以下,相談窓口)を2004年から常設し,急性期から慢性期にかけての幅広い患者の対応を行ってきた1).図には相談件数・外来患者数・入院患者数の年次推移数を示した.相談件数は開設から3年間は漸減の傾向にあったが,2007年度には逆に増加を示した.
こうした相談例の中には,若年者で,高次脳機能障害者の診断を受診まで受けていない慢性期例が含まれている.受傷から長期間が経過していて,診断とリハビリテーション(以下,リハ)のプロセスを経ていない患者に対するリハと社会的支援をどのように行うのか,症例による特性と問題点を把握し個別のリハプログラムを立てることが必要とされる.また高次脳機能障害としての診断を受けていない症例では,病態の認識がなされていないことが大多数であり,リハを進めていく上での重要な課題ともなる.
今回は,慢性期に受診した初診例で,職業リハとの協業支援のなかで生じた障害像の客観視を促進することが課題となった症例を,若干の考察を加えて報告する.
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