第2回 リハビリテーション科専門医会 学術集会/札幌 《教育講演》
最新のリハビリテーション―痙縮のマネジメント
松元 秀次
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1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科運動機能修復学講座リハビリテーション医学
pp.591-597
発行日 2008年9月18日
Published Date 2008/9/18
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はじめに
痙縮は,相動性筋伸張反射の病的亢進と定義されている1).つまりα運動ニューロンの脱抑制であり,γ系の亢進,Ⅰaへのシナプス前抑制,網様体脊髄路あるいは前庭脊髄路の障害などの関与が考えられている2,3).
痙縮は,上位運動ニューロン障害患者のリハビリテーション(以下,リハ)阻害因子であり,歩行などの日常生活動作において妨げとなる.また,中枢性と末梢性の両者の要因が関与しており,姿勢,運動時の変化だけでなく,感覚刺激により病的運動が起こる.慢性期になり筋や腱の結合組織の短縮や筋線維の減少により構造的変化が生じると,複雑な運動を呈することになり,さらにリハの阻害因子となりうる.次いで,肩などに疼痛をまねき,鷲爪趾(claw toe)に代表される関節の変形・拘縮につながりうる.
しかしながら,「脳卒中治療ガイドライン2004」4)の指摘の如く,“痙縮に対するリハ”の観点からは,評価法,治療法ともに,未だ科学的根拠の不十分なものも多い.従来の治療法の見直しや新しい治療法の開発が期待されている.
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