第2回 リハビリテーション科専門医会 学術集会/札幌 《シンポジウム》脳性麻痺の訓練治療のあり方-ガイドライン委員会の報告を踏まえて-
脳性麻痺訓練治療の確立に向けて-痙縮の治療を中心に-
高橋 秀寿
1
,
小宗 陽子
1
1国立成育医療センター
pp.588-590
発行日 2008年9月18日
Published Date 2008/9/18
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脳性麻痺の痙縮の治療
脳性麻痺児における痙縮を軽減する治療法としては,それぞれの症例の障害の状態によって,表に示すように,保存的療法,および手術的治療法の選択,組み合わせが行われている.特に最近注目されているのは,ボツリヌス毒素局所注入療法1)である.欧米では,頻繁に使用されるようになった.その投与効果は,注射後2~3日目から発現し,10~12週間持続する.国内では依然として保険適応は,痙性斜頸,顔面痙攣,眼瞼痙攣のみで,四肢で使用できないという制約がある.また,バクロフェン髄内注入療法は,腰椎3~4番の間のくも膜下にカテーテルを設置し,皮下を通じてポンプを下腹部に埋め込み,持続的に薬液を注入する方法である.プログラムによって,調節可能で,速度,モード,継時的注入パターンが選択できる.これらを必要に応じて変更することができる利点がある2).2007年度から保険適応になった.
これらの痙縮の治療手段をどのように用いるかについては,図1に示すように,全身的に用いるか,局所的か,あるいはその治療が可逆的か,非可逆的か,によって,治療戦略が立てられる.しかし,どの治療にもリハビリテーション(以下,リハ)の併用は必須条件である.
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