第2回 リハビリテーション科専門医会 学術集会/札幌 《教育講演》
最新のリハビリテーション―脳卒中と経頭蓋磁気刺激
竹内 直行
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1北海道大学病院リハビリテーション科
pp.598-604
発行日 2008年9月18日
Published Date 2008/9/18
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はじめに
生体に大きな変動磁場を体外から引き起こし生体内に生ずる渦電流がニューロンを刺激する経頭蓋磁気刺激(Transcranial magnetic stimulation:TMS)は中枢運動神経機能評価法として開発されその後急速に普及した.特に反復経頭蓋磁気刺激(Repetitive transcranial magnetic stimulation:rTMS)は刺激強度,刺激頻度,刺激回数を変化させることによって大脳皮質の興奮性を変化させることが可能で,1Hz以下の低頻度rTMSは刺激部位を抑制し5Hz以上の高頻度rTMSは興奮させる作用を持っている.このようにrTMSは大脳皮質の興奮性を変えることができ,興奮性に働いたり抑制性に働いたりする複雑なネットワークを呈する大脳で,刺激方法の組み合わせにより様々な中枢性疾患ヘの応用が報告されている.以下,経頭蓋磁気刺激を用いた脳卒中運動障害の評価及び治療法を紹介し脳卒中後の回復メカニズムについての考察を行う.
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