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■日本麻酔科学会産科麻酔ワーキンググループ設立の経緯
フルタイムの産科麻酔科医として分娩室に常駐している私にとっては,「産科麻酔」というサブスペシャリティーが存在することは自明に思われ,日本産科麻酔学会もいずれは必要になるのではないかと,何人かの仲間と話し合ったこともありました。「小児麻酔」や「心臓麻酔」はそれぞれに学会を持ち活動していますが,産科麻酔はそれに遅れているだけだとの認識です。
産科麻酔の学会は,米国(Society for Obstetric Anesthesia and Perinatology : SOAP)にも英国(Obstetric Anaesthetists' Association:OAA)にもあり,充実したプログラムで学術集会が行われています。米国では,産科麻酔のフェローシップ・プログラムが公式に認可されようとしています。産科麻酔の教科書も米英では多数出版され,麻酔科学のサブスペシャリティーとして産科麻酔は十分に認知されていると思われます。
そこで日本麻酔科学会の武田純三理事長が,関連領域委員会の中に“産科麻酔領域ワーキンググループ(WG)”を作ってくださった際にも,私はとてもありがたいことだと感謝しましたが,他の専門領域に比べて診療面では遅れている(関与が少ない)領域であり,そのためにWG設立の必然性を感じました。多田恵一関連領域委員長のもとで,私がWG長を仰せつかり,地理的条件や診療形態,専門領域を考慮して,上山博史(大阪大学),奥富俊之(北里大学),小野健二(おおしおウイメンズクリニック),川名 信(北海道立小児総合保健センター),森崎 浩(慶應義塾大学)の各先生にWGメンバーにご就任いただきました(所属は当時のもの)。
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