レポート 「現場最前線」
新型コロナウイルス感染拡大下に行った同時双方向型遠隔実習の報告
東川 麻里
1
,
白波瀬 元道
2
,
横島 彩乃
2
,
原 由紀
1
,
市川 勝
1
,
上岡 清乃
3
1北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科
2永生病院リハビリテーション部
3北里大学大学院医療系研究科
pp.166-169
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001200379
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Ⅰ.はじめに
2020年,新型コロナウイルス感染拡大により,臨床や教育の現場に勤務する言語聴覚士(以下,ST)も未曾有の状況に直面した.その1つが,臨床実習の実施に際して,学生が実習を行う病院・診療所に立ち入ることが困難な状況が生じたことである.言語聴覚士学校養成所指定規則1)では,臨床実習を12単位実施すること,その2/3は病院または診療所で行うことが定められている.文部科学省・厚生労働省は2020年2月28日に,「新型コロナウイルス感染症の発生に伴う医療関係職種等の各学校,養成所及び養成施設等の対応について」2)という事務連絡を出し,「実習施設等の代替が困難である場合,実情を踏まえ実習に代えて演習又は学内実習等を実施することにより,必要な知識及び技能を習得することとして差し支えない」旨を伝えた.その結果,現場では臨床実習に代替する演習や学内実習の方法を急遽検討し,対応することが求められた.
今回われわれは,当初,臨床実習を依頼していた実習病院のSTとともに,病院の言語聴覚療法室(以下,ST室)と大学の講義室をオンラインでつなぎ,学生がリアルタイムで症例にかかわる機会を持ちながら,一定期間の経過を追う同時双方向型遠隔実習(以下,遠隔実習)を企画し実施したので報告する.
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