連載 失敗例から学ぶプレゼンテーション患者説明から学会発表まで・11
双方向のプレゼン
竹本 文美
1
,
植田 育子
2
,
田中 雅美
3
,
八幡 紕芦史
4
1独立行政法人地域医療機能推進機構東京城東病院内科
2慶應義塾大学医学部循環器内科
3津田沼中央総合病院病理センター
4国際プレゼンテーション協会
pp.566-570
発行日 2015年3月10日
Published Date 2015/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223175
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質問攻めが対話型講義?
あなたは,ハーバード大学のサンデル教授の対話型講義は人気があると聞き,自分も「慢性腎不全」の講義を対話型でやってみようと思った.サンデル教授は学生にどんどん質問しているから,たくさんの質問を投げかければ講義が白熱するだろうと考えた.
そこで,講義の冒頭で「この中でCKDという言葉を知っている人は手を挙げて?」と言った.すると3〜4人の学生が手を挙げた.しかし,それを一瞥したあなたは「はい,それでは,今日は…」と講義を始めた.そのとき,多くの学生は「今の質問は何だったのか?」と怪訝な表情を見せた.その後,症例を提示し,「この尿所見から考えるに,この患者さんの血尿は糸球体由来か,尿路由来か」と質問をした.ところが,学生は無反応で教室は静まり返ってしまった.仕方なく一番前に座っている学生を左から順に当てることにした.「糸球体由来です」,「はい次」,「尿路由来だと思います」,「はい右の人」と,それなりに講義が進んでいった.
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