Scramble Zone
衛星利用による双方向遠隔教育の実現を目指して
宇都 由美子
1
,
村永 文学
1
,
熊本 一朗
1
1鹿児島大学医学部附属病院医療情報部
pp.456-459
発行日 1998年6月25日
Published Date 1998/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901850
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はじめに
「これから,鹿児島大学病院と大口市の県立北薩病院並びに名瀬市の名瀬保健所を衛星と電話回線で結んで,看護の遠隔講義を始めます」.1998(平成10)年3月11日午後1時,この挨拶で5回目の衛星利用による遠隔講義がスタートしました.この講義は,平成9年度文部省科学研究費で行なう看護遠隔教育システムの実用化に関する研究の一環として実験したものです.私たちはこれまでも,衛星利用による遠隔教育実験を4回行なってきました.
そもそも講義は,講師と受講生が同じ室内において,対面で直接的なコミュニケーションを図りながら行なうことが望ましいとされています.しかし,遠くにいて自分が受講したい講義が受けられない,学会に参加したいが距離的,時間的な障害がある,あるいは交替要員がなかなか確保できないなど,教育環境という点で極めて不利な条件の中で勤務している看護関係者は少なくありません.新たな知識・技術を生涯にわたって学び続けることが看護婦に求められている今日,教育的環境における不利な条件を克服し,遠隔地にいながらにして自分の受けたい教育や情報が得られるという新しい教育情報基盤の開発,運用は急務となってきています.
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