グラフ
―離れていても双方向で学べる―通信衛星とインターネットを用いた看護遠隔教育システムの試み
pp.415-417
発行日 1998年6月25日
Published Date 1998/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901841
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鹿児島市から1日3本のバスで2時間半の大口市にある県立北薩病院と,鹿児島空港から約400キロ,飛行機で40分の奄美大島の名瀬保健所.ともに鹿児島市内で行なわれる研修会に参加するにも一苦労である.その2か所に,3月11日,通信衛星と電話回線を用いて,鹿児島大学医学部附属病院の医療情報部から「マルチメディア時代における看護情報教育のあり方」(講師:宇都由美子氏・同病院医療情報部)の講義がリアルタイムに届けられた.しかも,一方通行でなく,質問したいときはいつでも自分の声を講師に届けることができ,講師は受講者に質問しその答えを受けて話を進めていく,普通の講義と実質的に変わらない形で,だ.
この講義は,文部省科学研究費を得て行なっている「通信衛星とインターネット利用による看護遠隔教育システムに関する研究」における実験として実施されたものである(システムの大まかな流れと特徴は別の囲み記事を参照).現在,遠隔医療の実用化のために全国11の大学病院が通信衛星を介してつながっており,データや画像をともに見ながら診断や治療について話し合えるシステムが作られている.その中にあって,地域医療への貢献をめざす鹿児島大学は唯一,離島や僻地が多い地域的特色を考慮して,アナログ波を送受信できるシステムを持っている.
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