--------------------
編集後記
藤田 郁代
pp.110
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001100331
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
2012年6月15日から16日にかけて第13回日本言語聴覚学会(深浦順一会長 国際医療福祉大学)が福岡国際会議場において開催され,約2,000名の参加者が活発な討議を繰り広げました.梅雨期の開催で天候が懸念されましたが,雨天は初日のみで2日目には雲間から太陽が顔をのぞかせ,博多湾に浮かぶ能古島や志賀島を眺めることもできました.同学会の演題数は277題に及び,言語発達,失語・高次脳機能,聴覚,発声発語,吃音,摂食嚥下などの各種障害に関する基礎と臨床をはじめとし,職種連携,社会的支援,災害支援,言語聴覚士の養成・生涯教育などについて大変興味深い発表がなされ,言語聴覚障害学が今まさに進歩しつつあることを実感することができました.研究を始める動機は人それぞれであると思いますが,そのひとつに「臨床において自分が考えたことや経験を科学的に追及し,その成果を他者に伝えたい」ということがあるように思います.学会は研究成果を直接的に伝達する場として有用であり,参加者からの批判にさらされ,また支持を得ることによって研究の客観性が高まりますが,研究のさらなる進展を望むには他者が追試できるような形態で論文にまとめ発表しておくことが重要です.このような場を提供することを意図して本誌は刊行されていますので,発表者からの積極的な投稿を待ちたいと思います.
Copyright © 2012, Japanese Association of Speech-Language-Hearing Therapists. All rights reserved.