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編集後記
藤田 郁代
pp.349
発行日 2013年12月15日
Published Date 2013/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001100398
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地球温暖化を反映してのことか,台風や竜巻による災害が多かった2013年も間もなく暮れようとしています.今春に言語聴覚士として言語聴覚療法の現場に入職された方は目まぐるしく過ごした日々を思い返し,深い感慨を持って年の瀬を迎えられるのではないでしょうか.
今号には,(社)日本言語聴覚士協会職能部による調査報告「医療・介護施設における言語聴覚士の業務実態について(第2報)」が掲載されています.本報告にありますように,社会保険や介護保険の報酬体系が見直されるたびに,言語聴覚療法の現場はそれに対応した変化を迫られます.現在の改定の方向は回復期リハビリテーション病棟および介護保険における言語聴覚療法の充実にあり,長年提供されてきた医療施設における長期的リハビリテーションは次回の報酬体系改定の際に打ち切られる予定です.高次脳機能である言語・認知の障害は長期にわたる言語聴覚療法によって回復する事例が多く,次回の打ち切りはこのような方々に多大な影響を及ぼします.同時に,目前の患者がどのような経過をたどって回復し,各期の言語聴覚士がどのような役割を担うべきかを実践的に学ぶ機会がますます少なくなるものと思います.
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