連載 脳卒中慢性期のリハビリテーションメソッド 起き上がり編・第3回
肩が引けてしまう症例—知覚・認知系からの評価と介入
福田 俊樹
1
Fukuda Toshiki
1
1株式会社ワイズ 脳梗塞リハビリセンター新宿
pp.695-701
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200953
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臨床場面では,ベッドから起き上がりを行う際に麻痺側の上肢がベッド上に投げ出されたまま,または上半身がのけ反った状態で動く場面を見かけることは少なくない。この動作は非効率であり,また形成された運動パターン(シナジー)は他の動作にも悪影響を及ぼす可能性がある。
この動作は主に運動麻痺,動作パターンの障害,高次脳機能障害の3つの原因が挙げられ,前回は起き上がり動作の際に肩が引けてしまう場合の運動系(運動麻痺,動作パターンの障害)からの評価と介入について紹介した。寝返る際の上肢と体幹の間のレバーアームとして働く胸郭と肩甲帯に着目し,肩甲骨と肋骨のアライメントや動きの評価と周囲筋の賦活を行うことによって起き上がる際に肩が追従してくる運動パターンを形成していくことができる。
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