特集 ノーリフトケア—介護者・対象者 共にやさしい起居・移乗技術
リハビリテーション病院での取り組み—ノーリフトケアの流れを医療側からつくる
今村 純平
1
,
柴田 元
1
1医療法人かぶとやま会久留米リハビリテーション病院
pp.336-340
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200854
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はじめに
回復期リハビリテーション病棟(以下,回リハ病棟)は2000年に制度化され,急性期を脱した後の集中的なリハを担う専門病棟であり,生活期へのソフトランディングは重要なテーマである。回リハ病棟が年々増加する中にあって,病院間の機能の格差解消は課題となっており,回復期リハビリテーション病棟協会では平成29年11月に「回復期リハビリテーション病棟のあり方指針 第1版」を発表した1)。その中には,「移乗リフトなどは,入院早期から病棟で使用すると,具体的な導入の検討がしやすい」と示されているが,移乗リフト自体が病院に普及し,生活期との連携において積極的に使用されているとは言いがたく,医療機関に勤務するPT・OT・STを対象とした調査では,リフト使用経験者が3割に満たず,月1回以上の使用頻度のある者は1割に満たないという状況であった2)。抱え上げないケア(ノーリフトケア)においてはさまざまな手法が含まれるが,今回はリフトに焦点を当て,久留米リハビリテーション病院(以下,当院)の取り組みを紹介する。
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