特集 多職種でかかわる在宅の褥瘡ケア
在宅チームで行う褥瘡ケア
佐藤 志保子
1
1河北家庭医療学センター 河北訪問看護・リハビリステーション阿佐谷
pp.239-244
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200350
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はじめに
在宅での褥瘡ケア・予防の基本は,① 褥瘡のリスクアセスメント,② 圧迫・ずれの除去,③ 皮膚の清潔,④ 栄養管理,⑤ 患者,家族,介護職への教育1)である。これらのケアを適正に行うことで褥瘡の予防や早期治癒が可能となる。病院では,治療中心のケアとなるので,医療従事者が共通言語のもと,決められたプランに沿って対応することが可能となる。しかし,在宅では日常生活の中で,継続可能なやり方でケアをしていくことが求められる。病院で行う医療者にとっては当たり前の言葉やケアでも,家族や介護者にとっては聞き慣れない言葉で説明され,介護負担が強くなるだけの難しいケアとなることもある。訪問看護を始めて感じていることは,医師の処方や訪問看護のケアだけでは褥瘡は治らないということだ。在宅チームとしてその家の個別性に合わせてトータルで提供することではじめて褥瘡の予防や治癒につながると実感している。本稿では,事例を挙げて,褥瘡のケアの実際と連携について述べる。
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