特集 在宅における褥瘡ケア
在宅褥瘡ケアの基本と工夫
在宅における褥瘡ケア支援の基本
大浦 紀彦
1
1杏林大学医学部救急医学・形成外科
pp.233-240
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100058
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在宅で必要なものは何か
慢性潰瘍の治療戦略は,創部が慢性化,難治化している原因を排除し,後述する考え方に基づく局所処置を行なうことである。この慢性創傷に対する治療コンセプトにおいて,病院と在宅の間で基本的な違いはない。しかし病院の入院患者と同様の褥瘡治療の方法論を,在宅へそのまま持ち込むと,手痛いしっぺ返しを受ける。これは,在宅医療と病院ではシステムが異なることによる。在宅における褥瘡治療の特異性,病院との違いをあらかじめ確認しておくことで,失敗を防ぐことができる。
では具体的に何が異なるのか? マンパワー不足,医療材料のコスト,実際にケアを行なうのが医療従事者ではなく家族である点などが指摘されている。病院とは異なった環境である一般家庭において効果的に治療を行なうにはどうしたらいいのだろうか? われわれ民間レベルではどのように問題点を解決したらいいのだろうか?
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