Japanese
English
特集 病院横断的活動とリハビリテーション
褥瘡対策チーム
Pressure sores committee, pressure ulcer care team
前澤 史織
1
Shiori Maezawa
1
1赤穂市民病院
1Ako City Hospital
キーワード:
褥瘡対策
,
チーム医療
,
院内講習会
Keyword:
褥瘡対策
,
チーム医療
,
院内講習会
pp.23-26
発行日 2019年1月10日
Published Date 2019/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201525
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はじめに
2002年度に褥瘡対策未実施減算が診療報酬に盛り込まれ,2012年度には入院基本料への褥瘡患者管理加算の包括化がなされた.褥瘡対策が入院基本料に組み込まれ,対策を実施できなければ入院基本料自体が算定できなくなったため褥瘡対策チームはすべての病院で整備すべき項目となった.質の高い褥瘡対策のためには多職種によるチームアプローチが重要である.そのなかで理学療法士,作業療法士は姿勢筋緊張や運動連鎖を考慮し適切なポジショニングを提供できる職種である.しかし理学療法士,作業療法士がそれらを提供できる時間はわずかであり主に看護師・介護士がかかわっている.多忙な業務中の体位変換やポジショニングは施行者の関心が低ければ患者の個別性を軽視しルーティン化されがちであり,不適切な体位変換は創にずれ力を与え褥瘡の治癒を遷延させる.主にかかわる看護師・介護士のスキルアップを図ることは褥瘡予防・治療につながり,より質の高い褥瘡対策を提供できる.しかし生体力学的視点をふまえた体位変換を日々多忙な他職種のスタッフへ伝達することは容易ではない.
本稿では,赤穂市民病院(以下,当院)の褥瘡対策チームの活動,理学療法士の役割を概説し,活動の一部である院内講習会における過去3年間の試行錯誤を紹介する.
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