特集 障害者を支援する公的機関
精神障害者の支援における保健所の役割
柳 尚夫
1
1兵庫県豊岡保健所
pp.872-876
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200272
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自己紹介と保健所の説明
筆者は,医師になって34年になり,最初の4年を大阪府立の総合と精神科単科の2病院で,精神科を中心とした臨床研修医と勤務医として働き,精神保健指定医の資格を制度スタート時に取得した。その後は,大阪府と兵庫県の保健所で28年間,課長や所長として勤務してきた。もちろん感染症を始め,いろいろな保健所業務に携わっているが,精神障害者の地域ケアをライフワークと考えている。特に,2014年施行の改正精神保健福祉法の趣旨を生かして,地域精神保健の改革ができるのは,保健所であると考えている。なお,保健所は設置主体が都道府県と市では,権限や業務内容が違う。さらに,県型保健所でも,精神保健業務への取り組み姿勢が県によって,また保健所によって異なっている。本稿では,筆者が所長として2009年から5年間勤務した兵庫県洲本保健所と現在勤務している兵庫県豊岡保健所という県型保健所で,実際に行っている精神障害当時者(以下,当事者)への支援を中心に記述する。したがって,ここで述べる支援を全国の保健所が一律に行っているわけではない。
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