連載 精神保健福祉計画の企画と実施—意欲を事業に反映するために
人材育成と精神保健研究所の役割
白川 修一郎
1
1国立精神・神経センター精神保健研究所精神保健研修室
pp.880-884
発行日 1998年12月15日
Published Date 1998/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902002
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
精神保健における人材とは,周知のごとく,医師以外に看護婦(士),保健婦(士),作業療法士,社会福祉士,精神保健福祉士,臨床心理スタッフおよび精神保健福祉行政に携わる事務職など,多くの職種にまたがる.これは,精神保健が精神障害の予防・治療および社会復帰・社会的サポートのみならず精神の健康の保持・向上をも,その目的としている側面を有するからである.さらに,平成7年に精神保健福祉法が成立し,関連する分野や職種も拡大の一途をたどっている.
精神保健研究所は,精神疾患,神経・筋疾患,精神神経領域の発達障害および精神保健に関するわが国の中心的機関である国立精神・神経センターを構成する4施設の一つである.国立高度専門医療センターの研究機関として,精神保健に関する研究を公的に行っているわが国で唯一の研究所である.精神保健に関する人材育成としての研修は,昭和27年に国立精神衛生研究所として設立されてから,研究活動と並行して,昭和34年度の社会福祉学課程を皮切りとして実施されてきた.研修の対象者は,平成9年度までは医師,保健婦,看護婦,臨床心理,精神科ソーシャルワーカーであったが,平成10年度からは,一部の研修課程で,精神保健福祉行政に従事する事務職や作業療法士にも対象を拡大している.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.