シンポジウム リハビリテーションと保健活動—障害の受容をめぐって
精神障害者の支援—保健所の立場から
田中 英樹
1
1川崎市幸保健所
pp.576-577
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901095
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●はじめに
日頃私たちと接している精神障害者,保健所に相談に来る事例は,精神疾患を患い,自覚しているしていないに関わらず,生活のしずらさで悩んでいる人々である.
相談に来る精神障害者と家族のそれぞれの動機,ニード,態度には個人差はあるものの,自己の置かれている状況とそのハンディを気分的には何らかの形で認識している.しかし,問題はその認識のしかたである.
テーマである「障害の受容」に即して言えば,一時的形式的には,援助を求めているようで,多くの場合,「障害があるから何も出来ない」とか,「我慢する」とか,「頼る」といった,自信の欠乏,自己に対するマイナスの価値づけ,態度が多く,その逆は病気や障害を認めようとしないことであり,ケアの提供や援助を拒否し,再発・生活破綻の悪循環から抜け出せないことである.
「障害の受容」を心理的障害の克服とその過程,プロセスと第一に定義づけるならば,私たちの援助,ケアを効果的に有用づけるために,実際場面でどのようになされるべきかを報告したい.
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