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今月の事例 広島県尾三地域保健所
思春期精神保健における保健所の役割
岡本 洋子
1
,
那須 淳子
2
1広島県尾三地域保健所
2岡山保健所
pp.297-299
発行日 2002年4月15日
Published Date 2002/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902719
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世羅地域精神保健事業の経過
激しい社会の変化に伴い,子どもたちを取り巻く環境は,子育て・子育ちが難しい時代となり,親子関係や社会関係が思春期の心の問題に大きく関与している.当所では,専門の医療機関や相談機関の少ない管内北部に位置する世羅地域4町(人口26,040人,児童・生徒数2,614人高齢化率31.9%)において,昭和61年度から精神保健相談を開始し,地域のニーズの変化に伴い平成元年度から思春期相談も開始した(図1).昭和63年頃から不登校など学校が抱える教育問題などの増加をきっかけに思春期にかかわる関係者が連携し,分野を越えて総合的に取り組むことが必要となった.そこで平成4年度から,母子保健対策事業を実施している市町をはじめ,医療・保健・福祉・教育関係者,県立総合精神保健福祉センター,児童相談所の参加を得て,調整会議を実施し連携を図ってきた.現在相談事業は保健所主体で実施しているが,保健所の広域的役割を認識しつつ,平成14年度から運営委員会を設置し世羅地域4町で主体的に実施できるよう検討を進めている.
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