特集 高齢障害者の自動車運転
安全運転の考え方と高齢・障害者の安全運転可否推定および指導法について
松永 勝也
1,2
1九州大学
2一般社団法人安全運転推進協会
pp.706-711
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200220
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はじめに
運転に習熟した他者が運転する中で安全に自動車を運転するには,自動車操縦と環境認識,安全状況保持において,一定水準の能力が求められるが,これらの能力は自動車運転免許が付与される段階ではその水準以上と考えられる。ただし,事故は多発しており,また,事故発生率には個人差があり,現状の自動車運転免許付与のための能力試験のみでは,安全運転が可能かどうかの推定は困難である。
自動車の運転事故はほとんどが衝突や転落によって発生している1)。したがって,運動機能や情報処理機能が低下している高齢者や障害者であっても,衝突するものがない,あるいは,転落が発生しないような状況での運転が可能であれば,事故(衝突や転落)は防止できると考えられる。本稿では,安全運転に関わる運転者要因,運転適性検査,運転事故防止法,および教育訓練法に関し述べる。
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